Amazing Toilets file.1

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私たちの生活にあまりにも馴染みすぎている小部屋、トイレ。
数えきれないほどあるのに、二つとして同じ個室はない。それって奇跡と呼べるのでは…?

遊び心と、おもてなしの心で築きあげられた「トイレの美学」を感じる各地のトイレを紹介します。
Oh my god!  「トイレの神様」も気づいていないであろう非日常的なトイレの世界へ……。

Amazing Toilets、記念すべき1室目はロンドンにあるアートの殿堂「V&A Museum」にあるトイレ。

入るや否や、目に飛び込んでくるのはキャッチーな緑色のタイルの壁。タイルの一つひとつをよく見るとV&Aのロゴがあしらわれている精巧さに驚かされます。
ツヤっとした白色のタイルがベースになっているので、石の重々しさは削がれて上品さが際立ちます。トイレといえば女性はピンク、男性は青、という配色がお決まりのもの。落ち着きのある深緑という絶妙なチョイスに心が奪われます。
蛇口や手すりなどディティールに施されたゴールドも全体にマッチして、ラグジュアリーな「手洗い体験」が演出されていますね……。

V&A Museumの魅力は、建築そのものに長い歴史があり、創立時からある「訪れた人に感動を与える」というコンセプトに基づき、デザインや建築にも美しい意匠が施されていること。そのコンセプトや美意識が、トイレにまで行き届いている細やかさに脱帽です。

お次は、山梨県にある「ほったらかし温泉」にあるトイレ。
個室の中にここまで大きな窓があるという驚き。登山をしている人は見当たらなかったので安心してください。
「見られたらどうしよう…」という焦りを感じさせることで、回転率を上げているのかもしれません。ただ正直言って、この壮観な眺めには思わず見入ってしまいます。便座から腰がなかなか上がらない美しさ。

この窓がなければごく無難なトイレ。この立地といい、トイレをわざわざ山並みに向くように配置した粋な心遣いといい…。設計者に心からの拍手を送ります。

file. 1のトリを飾るのは、またもやロンドンから。かの有名な老舗デパート「Harrods」のトイレをはデパートの華やかさを受け継ぎつつも、休むところとしての落ち着き、温もりも感じられる雰囲気が演出されています。
やはりここもヨーロッパらしい石のタイル張り。手洗い場と数室の個室が広めの部屋に集まり、その真ん中には木製のドレッサーが佇みます。どっしりと椅子に腰掛けて身だしなみを整えることができるのは、ラグジュアリーなデパートという空間ならではの余裕を感じさせます。

世界中からの観光客も大勢訪れるHarrods。写真には映っていませんが、さまざまな人種の女性たちがトイレに集まって、手を洗ったり、メイクを直したり、もちろん用を足したり。バックグラウンドや価値観、肌の色や体格は違うのに、この部屋にいる人たちには何とも言えない親近感を感じたな…という独り言です。.

トイレって本当にさりげない存在だけど、こうして見ると安全で平和で、他の公共空間にはないユニークな空間だと思いませんか?
file.2もお楽しみに!

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